IPA情報セキュリティ白書2023年版から「ランサムウェア被害からの復旧」の驚愕の事実を紹介

実務エッセンス教材
午後対策として参考にしたい資料は数多くありますが、特にIPAの情報セキュリティ白書は外せません。この記事では、白書の入手方法、2023年版で明らかにされたランサムウェア被害からの復旧に関する驚きのデータを深堀りします。

情報セキュリティ白書の活用

情報処理推進機構(IPA)による年次発行の情報セキュリティ白書は、情報セキュリティの最新動向や課題、そして具体的なインシデントの傾向を深く探る資料として最適だと思います。
試験制度を主催するIPAの白書ですから、出題傾向にも影響はあると思います。

2023年版の入手方法

2023年版の白書は、紙媒体として2,200円(税込み)の定価で手に入れることができます。しかし、オンラインのPDF版はアンケート回答のみで無料ダウンロードが可能です。この機会にアクセスしてみてはいかがでしょうか。
情報セキュリティ白書2023 | 書籍・刊行物 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ白書2023」に関する情報です。
↑↑↑こちらから入手できます。アンケートはあっさりしていて,1から2分で終わる短いものです。

ランサムウェア被害からの復旧の驚愕の事実

情報処理安全確保支援士試験に取り組む際、現場での課題や問題に取り組むことは不可欠です。IPAの「情報セキュリティ白書2023」も、背景と状況を明らかにしており、私たちが直面する課題の実態を理解する上で重要な資料と言えます。

この試験に取り組む際、午後の試験問題は実際の現場での課題や問題を反映していることを、多くの方が既にご存知でしょう。それは、真の情報セキュリティ専門家としての能力を試すため、現実のシナリオや状況を基にして出題されるためです。だからこそ、実際の被害現場でどのような事象が起こっているのかを理解することは極めて重要です。

「情報セキュリティ白書2023」を読み進める中で、私が特に驚いたのはランサムウェアに関するデータでした。昨今、ランサムウェアの被害は急増していますが、その実態が如何に深刻であるかは、この白書を通じて明らかにされています。

実際、バックアップを持っているという安心感の背後には、驚くべき事実が隠れています。
ランサムウェア被害を受けた139件の事例の中で、なんと83.5%のシステムがバックアップがあったにも関わらず復元できなかったとのこと。
一方、成功したケースはわずか18.9%に過ぎません。これは、単にバックアップを持っているだけでは、被害からの復旧は期待できないという現実を痛感させられる結果と言えるでしょう。

このデータは、私たちが情報セキュリティの実務に臨む際の指針として非常に価値があります。
ただバックアップを持つだけではなく、その適切な管理や復旧プロセスの確立が不可欠であることを、改めて認識する必要があります。

復旧を成功させるためのポイント

IPAの「情報セキュリティ白書2023」では、その対策として復旧の成功に繋がるポイントを具体的に提示しています。今回は、そのポイントを中心に、ランサムウェア被害からの効果的な復旧のための方法について考察してみたいと思います。

まず、最も基本的なのが「定期的なリストアテスト」です。多くの企業や組織がバックアップの取得は行っていますが、そのバックアップが正しく機能するか、また、実際の復旧時に使用して成功するのかが確認されていないことが少なくありません。バックアップそのものの機能チェックだけでなく、実際のリストアテストを定期的に実施することで、非常時に迅速な対応が可能となります。

次に、当然ながら、バックアップそのものも脅威の対象となり得るため、これを多重化することが極めて重要です。具体的には「バックアップの多重化」によって、一箇所での被害が全体のバックアップに影響を及ぼすことを避けることができます。複数の場所や方法での保存は、被害時のリスク分散としても有効であり、一つのシステムや場所に依存しない構造を持つことで、復旧の確率を高めることが期待できます。

さらに、バックアップデータを守るための策として「ネットワークの隔離」も提案されています。ランサムウェアの特性上、接続されているネットワーク内での被害の拡大が常に懸念されます。そのため、バックアップデータはネットワークから切り離した状態で保存することで、被害の伝播を効果的に防ぐことができるのです。

最後に、「WORM (Write Once, Read Many)の導入」は、データの不正改ざんや削除に対する有効な対策として挙げられています。WORMは、一度書き込まれたデータは変更や削除ができない特性を持っており、これによりランサムウェアによるデータの改ざんや、意図しないデータの損失を防ぐことができます。

まとめ

IPAの情報セキュリティー白書は、情報セキュリティーの最前線での実態を知るための必読資料といえるでしょう。試験対策だけではなく、実務においても非常に役立つ情報が詰まっているので、ぜひとも活用することをおすすめします。

しかし、ランサムウェアの被害からの復旧に関する事実は、私の環境で、これが起きたらと思うとゾッとしました。
リストアテスト環境作らないと・・・。
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